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★太りすぎ、メタボは耳によくないの?

 肥満メタボリック症候群は、いろいろな病気のリスクを高めると言われています。

 脳卒中心臓病など命に関わるような病気もあるため、健康のことを考えて、運動や食事に気をつけている方もいると思います。
  

 では、難聴と肥満・メタボとの関連はどうなのでしょうか。

肥満・メタボは難聴になりやすい

 下にあげた論文は、働き盛りの難聴のない日本人5万人近くの健康診断の結果を何年も追跡した研究です。

 それによると、肥満でない人よりは肥満の人のほうが難聴になりやすいという結果でした。

 また、メタボリック症候群(血圧が高かったり、血糖値や中性脂肪、コレステロールが高かったりする人)の人は、そうでない人と比べてより難聴になりやすいという結果でした。

 もちろん、肥満もあって、かつメタボリック症候群もあると、なおさら難聴のリスクが高まります。

なぜ難聴になりやすいのか?

 なぜ肥満やメタボリック症候群が難聴の原因になるのでしょうか。
 まだまだはっきりしない事が多いですが、肥満の人はレプチンという物質が血液の中に多いと言われていて、レプチンは動脈に血栓ができるのに関与していると言われています(文献)。耳を栄養する細かい血管に血栓ができると、血の巡りが悪くなり、聞こえの細胞を障害して難聴を引き起こす可能性があります。

 また、メタボリック症候群になると動脈硬化が進んで、これまた耳の細かい血管の血の巡りが悪くなり、聞こえの細胞を障害し、難聴を悪化させるのではないかと言われています。

 適度な運動、バランスの良い食生活に心がけ、肥満やメタボを予防して、難聴も予防しましょう。

 そういえば以前のブログで、血圧と難聴の関連についても書きました。是非お読み下さい。

★血圧が高いと難聴になりやすいのか? | 耳鼻咽喉科医の独り言

普段何気なく音や声を聞いている耳ですが、聞こえにくくなると日常生活で様々な不都合が出てきます。 「最近、妻の言っていることが聞き取れなくて、ケンカばかりしています」「家族からテレビの音が大きいって言われるんです」  高齢になると耳が聞こえづらくなって、耳鼻咽喉科に来られる方が多くおられます。……

 

今回参考にした論文は、
Hu H, et al. Obesity and risk of hearing loss: A prospective cohort study. Clin Nutr. 2020; 39(3): 870–875.
doi: 10.1016/j.clnu.2019.03.020
です。

Research Question:

 日本人労働者集団において、肥満と難聴との間に関連性はあるのか。

方法:

 デザイン:
  前向きコホートスタディ
 対象:
  ベースライン時に難聴のない20〜64歳の労働者 48,549名
  (日本国内12企業に勤務する会社員)
 検査:
  年に1回、純音聴力検査(1kHz, 4kHz)を施行。
  (健康診断のデータを使用)
 解析:
  Cox比例ハザード回帰
   以下の因子との関連を解析
    ・BMI
    ・腹囲を除くメタボリック症候群の診断項目(下記)が2個以上
     あてはまるかどうか(以下、メタボリックあり/なしと記載)
      <項目>
      (1)収縮期血圧130mmHg以上あるいは拡張期血圧85mmHg以上
        または高血圧治療中
      (2)空腹時血糖値 100mg/dL以上または糖尿病治療中
      (3)中性脂肪 150mg/dL以上または脂質異常症治療中
      (4)HDL-コレステロール値が男性では40mg/dL未満、
        女性では50mg/dL未満

結果:

  • 追跡期間の中央値は7年
  • 1595名が1kHzの難聴、3625名が4kHzの難聴を発症した。
  • 1kHzの難聴についての調整後ハザード比
    • BMI 25.0未満と比較して、
      • BMI 25.0〜29.9:1.21 [1.08-1.36]
      • BMI 30.0以上:1.66 [1.33-2.08]
    • メタボリックなしの非肥満者と比較して、
      • メタボリックありの非肥満者:1.19 [1.03-1.39]
      • メタボリックなしの肥満者:1.27 [1.01-1.61]
      • メタボリックありの肥満者:1.48 [1.25-1.76]
  • 4kHzの難聴についての調整後ハザード比
    • BMI 25.0未満と比較して、
      • BMI 25.0〜29.9:1.14 [1.05-1.23]
      • BMI 30.0以上:1.29 [1.09-1.52]
    • メタボリックなしの非肥満者と比較して、
      • メタボリックありの非肥満者:1.13 [1.04-1.25]
      • メタボリックなしの肥満者:1.21 [1.04-1.41]
      • メタボリックありの肥満者:1.26 [1.12-1.41]

結論:

 肥満は難聴のリスクの増加と関連しており、メタボリック症候群を伴う肥満はさらなるリスクをもたらす可能性がある。

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