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鼻うがいのススメ

 皆さん、鼻うがいって知っていますか?

「え!?鼻に水を入れるの?そんなの痛くてできっこないよ!」と思われる方も多いのではないでしょうか。

 確かに初めて聞くと、びっくりして怖いと思うかもしれませんが、耳鼻咽喉科医の多くが鼻の調子の悪い方にお勧めしているのが鼻うがいです。

鼻うがいの効果

 鼻うがいは、鼻の中の粘液(鼻水)を薄くし、粘膜をきれいにしてむくみを減少させ、鼻の中に入ってきた抗原(花粉やホコリなど)の負荷を減少させると考えられています。

 鼻うがいをする時の液体は生理食塩水といって、人体の組織と同じ濃度の食塩水を使うと不快感や痛みもなく、うまくできると言われています。生理食塩水の濃度は0.9%です(作り方は後述)。

 生理食塩水より濃い高張性食塩水が効果的であるという報告もありますが、高張性食塩水は生理食塩水と比較すると不快感があり、鼻の痛み、鼻出血などの副作用の発生率が高かったと報告されています(高張性食塩水 9.7% 対 生理食塩水 3.9%)。

実際の方法は?

 実際に鼻うがいを行うにはどうすればよいのでしょうか。

 間違いがないのは、市販の鼻洗浄キットを購入することです。

 たくさん種類がありますが、例えば下に示したような商品があります。最寄りのドラッグストアにも置いてあると思います。

 市販のキットを使って、説明書通りに作れば、簡単に鼻にしみない生理食塩水を作ることができて、鼻うがいをすることができます。

 キットがなくても自作ですることもできます。以前出版した拙著にも書いてありますので、ご紹介します。(できれば購入して読んでね。。。)

 生理食塩水を作るときのポイントは、濃度を0.9%にする点と、食塩を溶かす水は一旦沸騰させて殺菌してから冷ましてつかうという点です。

鼻がむずむず、鼻水も……
 そんな時は「鼻うがい」が効く。
 痛くありません、すっきりします!

 以下の方法でやれば、鼻の中が痛くなることはありません。そして、鼻の中はすっきりすること間違いありません。
 まず洗浄液を作りましょう。1リットルのぬるま湯(人肌くらいがよいです)に9グラム(小さじ1.5杯)の食塩を入れれば完成です。この塩分濃度は体の成分と同じですし(生理食塩水といいます)、体温と同じ温度なので、しみることはありません。決して真水や濃い塩水を使ってはいけません。使用するぬるま湯は、一度沸騰し殺菌して、冷ましたものがよいでしょう。
 

 
(中略)
 
 最初は怖いかもしれませんがこれをすると、かなり鼻の中はすっきりして症状が和らぎます。

(1) ドレッシングボトルに洗浄液を入れます。
(2) 鼻から水がこぼれて洋服や床がぬれることがあるので、タオルなどをかけておきます。
(3) やや下を向き、片方の鼻からノズルを利用して、ゆっくりと洗浄液を注入します。この時、「えー」と声を出しながら行なうと、むせることがありません。
(4) もう片方の鼻も同じ要領で行ないます。これを、3〜5回繰り返します。
(5) 洗浄液が鼻から出たら、軽く鼻をかみます。鼻の奥にたまっているものが出やすくなるでしょう。


 洗浄液を万が一飲み込んでも、害はありませんが、洗浄中に飲み込む動作をすると、耳管という穴から鼻の中の水が耳に逆流して、ごくまれに中耳炎になることもありますので、洗浄中はごっくんと飲まないようにしてください。

あんしん健康ナビ 花粉症・アレルギー性鼻炎(徳永貴広 著)から一部改変

 

 鼻症状でお困りの方はぜひ鼻うがいを試してみてください!

 

参考文献:

Succar EF, et al. Nasal saline irrigation: a clinical update. Int Forum Allergy Rhinol. 2019; 9(S1): S4-S8.
doi: 10.1002/alr.22330

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