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★マスクはどれくらい飛沫を受け止められるか?

 新型コロナウイルスは、まだ収まる気配がありません。こればっかり考えていたら、気が滅入ってしまうかもしれませんね。

 新しい行動様式と言われますように、こまめな手洗い、3つの密を避ける、適切なシチュエーションでマスクを装着する、この3つを守ればコロナだけでなくほとんどの感染症を予防できるはずです。

どんなマスクがいいのか?

 一時期のマスク不足は解消されたようですが、まだ十分なマスクが供給されているとは言えません。

 そんな中で、手作りのマスクを作られる方、アベノマスクを使う方、購入したマスクを使う方など、いろいろな方があると思います。

 はたして、それらのマスクはどれくらい飛沫を受け止められているのでしょうか?

 下に示した論文は、いろいろなマスクの飛沫に対する効果を調べた研究です。ここで注意しなければならないのは、今回の論文の主旨は、「安価で簡単な方法でマスクの飛沫防止効果を調べられるぜ!」という内容で、「マスクの飛沫防止効果を本格的に調べたぜ!」というものではありません。

 ですので、参考程度と考えて下さい。

 それによると、しっかり装着されたN95マスクは99.9%の飛沫を防止でき、病院で使われるサージカルマスクは99%の飛沫を防止できることが分かりました。一方、布製のマスクは70〜90%の飛沫を防止できたそうです。

 一方、ニット製のマスクや、マスクではなくバンダナを二重に巻いたりするのは、あまり効果がないようです。そして、フリースは大きな飛沫を多数の小さな飛沫に分散させてしまう可能性があるそうです。

 フリースのマスクを装着する時には、中にガーゼを入れたほうがよさそうですね。

熱中症に注意を

 マスクは大事ですが、その目的を知って必要なシチュエーションで装着することがもっと大事です。

 マスクは他人からうつされない為にあるのではなくて、他人にうつさない為に装着するということをまず理解しましょう。そして、近い距離に人がたくさんいる時や、自分が話をしなければならない時にはマスクをしっかりすることが大事です。

 逆に、近い距離に人がいないときはマスクをはずしても大丈夫です。特に炎天下でマスクをつけていると熱がこもって熱中症になりますから気をつけて下さい。

 3つの密ではなくて、3つの「とる」が大事です。

1、まわりの人と距離をとる
2、水分をこまめにとる
3、必要ないときはマスクをとる

 

今回参考にした論文は、
Fischer EP, et al. Low-cost measurement of facemask efficacy for filtering expelled droplets during speech. Sci Adv. 2020: eabd3083.
Web site
です。

Research Question:

 会話中の飛沫をマスクがどれくらいフィルタリングするかを調べる。

方法:

 研究参加者はマスクを着用し、暗い箱の中に向かって話す。
 箱の中には、拡大レーザービームが発せられており、このレーザービームの中を飛沫が通ると、光が散乱され、カメラで記録できる。(検出可能な飛沫の最小サイズは0.5µm
 単純なコンピュータアルゴリズムを使用して、ビデオに映った飛沫をカウントする。

 参加人数は4名
 4名が、以下のマスクを用いて実験を行った。対照として、マスクを着用しない場合も調べた。

1、サージカルマスク
2、バルブ付きN95マスク
3、ニット
4、2層のポリプロピレンエプロン
5、綿-ポリプロピレン-綿
6、1層のマキシマAT
7、2層の綿、プリーツスタイル
8、2層の綿、オルソン式マスク
9、2層の綿、プリーツスタイル
10、1層の綿、プリーツスタイル
11、ゲイタータイプのネックフリース
12、2重のバンダナ
13、2層の綿、プリーツスタイル
14、装着テスト済みのN95マスク

 1回あたり約40秒のビデオを記録した。最初の10秒がベースラインとして記録され、次の10秒間に研究参加者が“Stay healthy, people”と5回繰り返し、その後さらに20秒間録画を続けた。このプロトコルを、マスクごと(対照も含む)に10回繰り返した

https://advances.sciencemag.org/content/advances/early/2020/08/07/sciadv.abd3083/F2.large.jpgより

結果:

  • マスク無しに比べて、装着テスト済みのN95マスク99.9%の飛沫を防止した。
  • 同様にサージカルマスク99%布マスク70〜90%の飛沫を防止した。
  • フリース素材は大きな飛沫を多数の小さな飛沫に分散させているように見え、かえって飛沫を増加させてしまう可能性があった。

結論:

 今回の研究では、発話中に放出される0.5µm以上の大きさの飛沫に対するマスクの有効性を、迅速かつ費用対効果の高い方法で推定することができた。

★マスクについては、この記事もぜひお読み下さい。

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