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★長生きするためには、1日何歩歩けばいい?

 皆さん、健康に長生きをしたい!と思っているのではないでしょうか。

 では、健康のために何をするのがいいのでしょうか。

「そりゃ運動でしょう」という声が聞こえてきます。運動にもいろいろありますが、手軽にできる運動としてウォーキングがあります。
「今日は1駅手前で降りて歩いて行こう」とか、「今日は車を使わずに歩いて行こう」というように、少し心がければできる運動ではないかと思います。
 

1日何歩あるくのがいいのか?

 下に示した論文は、アメリカの成人を5,000人近くを対象に行った研究です。

 歩数計を7日間装着してもらい、その人の1日あたりの平均歩数や、歩行強度について測定しました。その人達の経過を追って死亡率を評価しました。

 すると、1日あたりの歩数が8,000歩以上の人は、4,000歩程度の人と比べると死亡リスクが有意に低くなるという結果でした。

 一方、歩行の強度(1分あたりの歩数など)と死亡率とは関連は認められませんでした。

 この研究結果からは、長生きするには1日8,000歩以上がお勧め、ということになるでしょう。

日本人でも同じような結果

 今回、示した研究はアメリカ人を対象にしたものでした(最新の論文だったので、あえてこちらを紹介しました)。

 果たしてこれがこのまま日本人にあてはまるのか?と疑問に思われる方もあるかもしれません。

 日本人を対象にした同様の研究(Yamamoto N, et al. BMC Public Health. 2018; 18(1): 540.)でも、1日8000歩以上の人達は、1日4,500歩以下の人達と比べると有意に死亡リスクが低かったという結果が得られています。

 この結果も加味すると、日本人においても8,000歩以上がいいのではないかと思います。

 Let’s enjoy walking!

 

今回参考にした論文は、
Saint-Maurice PF, et al. Association of Daily Step Count and Step Intensity With Mortality Among US Adults. JAMA. 2020; 323(12): 1151-1160.
doi: 10.1001/jama.2020.1382
です。

Research Question:

 米国成人における1日の歩数・強度と死亡率との関連はあるか。

方法:

 デザイン:
  観察研究
 対象:
  国民健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination
  Survey)に参加した40歳以上の米国成人のうち4,840名
 調査法:
  2003〜2006年の間に加速度計を7日間装着した。
  加速度計は1日あたりの歩数と3種類の歩行強度(extended bout cadence、
  peak 30-minute cadence、peak 1-minute cadence [steps/min])
  を測定した。
  死亡率は2015年12月まで把握された。
 主要評価項目:
  全死因死亡
 副次的評価項目:
  心血管疾患およびがん思慕率
 解析:
  ハザード比 (HR)、死亡率、95%信頼区間を3次スプラインと四分位分類を
  用いて推定した。
 調整に用いた因子:
  年齢、性、人種/民族、教育、食事、喫煙状況、肥満度指数、
  自己申告健康状態、移動制限、既往(糖尿病、脳卒中、心疾患、心不全、
  がん、慢性気管支炎、肺気腫)

結果:

  • 参加者は、平均年齢56.8歳、女性2,435人(54%)、肥満者1,732人(36%)であった。
  • 参加者は、加速度計を1日平均14.4時間、平均5.7日間装着した。
  • 1日あたりの平均歩数は9,124歩であった。
  • 追跡期間の平均10.1年で1,165人の死亡があり、そのうち心血管疾患が406人、がんが283人であった。
  • 全死因死亡の未調整発生密度は、以下の通り。
    • 4,000歩/日未満(655人):76.7人/1000人年
    • 4,000~7,999歩/日(1,727人):21.4人/1000人年
    • 8,000~11,999歩/日(1,539人):6.9人/1000人年
    • 12,000歩/日以上(919人):4.8人/1000人年
  • 4,000歩/日の歩数をとった場合と比較して、8,000歩/日の歩数や12,000歩/日の歩数をとった場合ともに、全死因死亡率が有意に低かった
    • 8,000歩/日:HR 0.49 [0.44-0.55]
    • 12,000歩/日:HR 0.35 [0.28-0.45]
  • 歩行強度(peak 30-minute cadence)別の全死因死亡の未調整発生密度は、以下の通り。
    • 18.5~56.0歩/分(1,080人):32.9人/1000人年
    • 56.1~69.2歩/分(1,153人):12.6人/1000人年
    • 69.3~82.8歩/分(1,074人):6.8人/1000人年
    • 82.9~149.5歩/分(1,037人):5.3人/1000人年
  • 1日の総歩数で調整すると、歩行強度(例:peak 30-minute cadenceの第3四分位と第1四分位の差)と死亡率の低下とに有意な関連はなかった(HR:0.90 [0.65-1.27];P value for trend=0.34)。
  • []内は95%信頼区間。

結論:

 米国成人の代表的なサンプルにおいて、毎日の歩数の多さは全死因死亡率の低下と有意に関連していた。
 また、1日の総歩数で調整したところ、歩行強度と死亡率との間には有意な関連は認められなかった。

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